Microformat と Microdata の紹介 by Oli さん(http://oli.jp/)
はじめに
HTML に(ヒューマンリーダブル、マシンリーダブル問わず)メタデータを付加する方法はいくつもあるわけですが、クリエータベースでボトムアップに使われ始めたものの代表が Microformat です。
ここにチートシートがありまして、一見すると「ぎょっ」とするほどあります。
Microformat の問題と RDFa
一言で言えば、 Microformat → RDFa → Microdata 。 HTML5 は Microdata でがんばっていこう!
とまぁ、色々仰っていたのですが、Microformat は問題だらけで、ボトムアップすぎて HTML の仕様として入っていないこと、実装方法がばらばらになってしまって種類が多すぎること、そのためかツールや UA の実装が揃ってこなかったことがあると。あと、ボキャブラリをマシンリーダブルに新規作成することができず、コミュニティによる追加を待たなければならないこと。属性値のフォーマッティングなどを全世界共通のマシンリーダブルなものとしてしっかり策定できなかったこと。オリさん曰く「Microformat は "stop-gap"(応急処置)な技術である」ということ。
対して、W3C が XHTML に対する仕様として策定を進めていた RDFa は、コンピュータリーダブルかつボキャブラリ定義も一つのリソースとして URI を割り当て、かつボキャブラリの属性値のスキーマすら一リソースになるなど意欲的ではあるが、 rigor (厳格・厳密)すぎることと、要するに時代は XHTML2 ではなく HTML5 を選択してしまったので、 HTML5 にはフィットしないよね。という状況になってしまった。
そこで Microdata
そこで登場したのが Microdata で、 WHATWG によって HTML5 の仕様の一部として含められており、かつ RDFa よりは実装しやすく、ボキャブラリも作者が定義できるなど自由度もあり、 Microformat と RDFa の反省をそれぞれ活かしたものになっているということ。
http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/multipage/microdata.html
プレゼンの以後は、時間がおしていたこともあり巻きで Microdata の実装紹介でした。この辺はスペック通り。
これからは Microdata
になるだろう。ということです。 HTML5 がこのままデファクトになればそうでしょうね。問題点は、
- brand new(新しすぎる)
- almost no tools(ほとんどツールがない)
- almost no usage(ほとんど使い道がない)
- it's not RDFa(RDFa ではない)
ということだそうです by オリさん。
感想
私個人の考えとしては、現状、 HTML へのメタデータ付加は SEO 対策としても弱く、実効性にかなり乏しい。実効性があると言えるのは、 FOAF/XFN くらいではないだろうか。先進性を取って進めるのも良いが、業務として行う場合、ただの無駄なコストになる場合が多いと考えられる(特に更新作業)。ボランタリーベースになるだろうと思われる。 FOAF/XFN のように、Google がなんらかの対応を公式に発表した時点からメタデータ実装を考えても何ら問題ないのではないか。多少後ろ向きではありますが、そのように考えます。メタデータをいくら付けたって、それを読んでくれる人がいなければ作者も更新しなくなるし、ブログツールなどの更新ツールも対応が進まない。更新されないメタデータほど悲惨なモノはない。
と書いて「悲観的すぎるだろガンガン付けていこうぜ」と社内イントラでコメントをいただいたので補足すると、僕は「メタデータ超付けよう」派の中の「メタデータのメタデータ化は人ではなく機械がやるべき」一派です。人が「メタデータ」と意識して何かを入力するのではなく、普通に「コンテンツ」を記述している気持ちで入力すると後は機械が「メタデータ」として文書にデータを付加してくれるのが良いな!